サーカスに行きました。
オペラ座の当日券はとれませんでした(トライすればとれたのかもしれません)が、Cirque d'hiver (冬のサーカス)のマチネの当日券が難なくとれました。一番安い席、10ユーロ(約1600円)。
サーカスなんて久しぶりと心躍らせて座席への階段をのぼっていくと、赤い制服を着たおばさんがいて、チケットの座席番号を見て席まで案内してくれました。Merci!
ところが、「Merci!」と言って座っても、おばさんはずっと前に立っています。フランス語で何か言っています。私達が「わかりません~」という顔をしたら、おばさんはゆっくりハッキリくっきりと言いました。
「Tip!」うわぁ。きた!これが噂のチップっていうやつですか!
場内案内係もタダでは案内してくれないのですね!
焦ってお財布を開きましたが、よりによって、あわせて1ユーロにも満たない小銭とあとは10ユーロ札しか入っていない!
焦る私の前で、「そんな小銭では納得しないわよ」とキビシイ顔して仁王立ちで見下ろすおばさん(そう見えた)。
無言ですが、もらうまでテコでも動かないという意思が伝わってきます。
しかたなく手持ちで一番少額の10ユーロ(約1600円)札を一枚手渡すと、おばさんは「Merci♪」と嬉しそうにすぐさま去っていきました。10ユーロは1600円。
チップというのは、料金の10~15%程度が目安ということなので、2人で3ユーロ程度で良かったのではないでしょうか?
やられたーーー!?
20ユーロのチケットで10ユーロのチップってとりすぎじゃないの!?しつこいようですが10ユーロは1600円です。
楽しいはずのサーカスで理不尽な体験。
しかし、いつまでもそう思っていても仕方がないので、勉強代と思うことにしました。
場内はこんな感じ。全体的に赤が使われていて雰囲気があります。客席は、中央底部にある舞台をぐるりと取り囲むすり鉢状で、10ユーロの席は舞台から一番遠い、すり鉢のふちのあたりです。私達の席は、照明のオペレーション席のすぐ横でした。照明とおぼしき男性がしょっちゅう後ろを走っていきます。
場内が暗くなり始めたそのとき、件のおばさんが足早に寄ってきました。
「前のほうに空いている席があるから、今すぐ私についてきなさい」(というジェスチャー)
まさかの急展開です。おばさんの案内してくれたその席は、一つ上のランク、22ユーロ席エリア。その中でも一番上等と思われる舞台正面の一番前。これは非常に見やすい!
10ユーロ席には他にもたくさんお客がいたけれど、上のランクの空席へと案内されていたのは私達だけのようです。
推論ですが、きっと、私達がたくさんチップをあげたから、おばさんもサービスで案内してくれたのでしょう。
チップって伊達じゃないのね!
面白い体験でした。
理不尽な思いが解消され、始まったサーカスは非常に魅力的なエンターテインメントでした。
最初から最後まで、BGMはバンドによる生演奏。残念ながらこのバンドにアコーディオンはいません。曲は、誰もが知ってる曲(映画音楽とか)をポップスアレンジで。
サーカスのお約束、動物芸。
どのトラもぽっちゃりとしていて、飼われているネコみたい。
このほかにも、アシカ、馬、ポニーも。
サーカスの花形はやはり空中ブランコ!
合間合間に現れるダンサーのオネエさん達。
この衣装って宝塚のベルばら(の戦闘ダンスシーン)っぽい。
意外と道化師のコント(それもドリフみたいなノリのコントです)が多く、フランスの子供たちにはむしろ空中ブランコやジャグリングよりも、そちらのほうがお気に入りのようでした。道化が何をやっても何を言っても100発100中、大うけ。キャーキャーピーピー笑ってるのが印象的。
これにくらべると日本の観客っておとなしいんですね。さすがパリ、子供たちもエンターテイメントの楽しみ方を知っているという感じがしました。
posted by marie at 19:17|
パリ旅行
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